清涼な生姜の香りが大きく広がり、ほのかな穀物の甘みを感じる、ドライでキレのいい味わいの焼酎です。
原料重量比20%ほどの生姜を使用。
はじめに米麹、次に大麦、最後に生姜を仕込み、一回だけ減圧蒸留した後、ろ過して仕上げた心と身体を刺激する焼酎です。
透明感のある洗練されたボトルデザインは、ライトアップされると一段とスタイリッシュな雰囲気に。
~『利平GINGER』ができるまで~
落合酒造場は、家族が中心となり、100年以上ものあいだ酒造りに邁進してきた焼酎蔵です。当主自らが杜氏(製造総責任者)となり、酒造りの技能を継承し続けてきました。
芋焼酎を主力に、受け継いだ伝統を守り、こつこつと美味しいお酒を造り続けてきました。現在は、原料芋に一社の契約農家が『緑肥栽培』で育てたもののみを使用。『緑肥栽培』は動物性肥料を使わず、植物性肥料だけで土壌をつくり、芋を栽培する方法です。『緑肥栽培』で育てた芋は、水分が少なく身の締まった固い果肉のしっかりした芋となり、それらを原料にした芋焼酎は口当たりが柔らかで深い味わいになります。
一般的な焼酎は芋、麦、米から作られます。日本に本格焼酎ブームが巻き起こった2004年前後、三代目当主であった落合一平は、野菜を原料にしたこれまでにない新しい焼酎造りに挑戦します。蔵の総生産量からすれば、ほんのわずかでしたが、他の焼酎蔵ではなかなかみられない、ヨモギを使ったユニークな焼酎を手がけるようになりました。その後、ヨモギのほかにピーマン等を原料に独創性あふれる焼酎を製造したところ、話題となり「うちの特産品でも焼酎を造ってほしい」と各地のJAや地方自治体から焼酎造りの依頼が相次ぎました。100年積み重ねた焼酎造りの歴史に、新しいプラスアルファを積み重ねることができたのです。
『利平GINGER』のおおもととなる生姜を使った焼酎も、当初、生姜農家からの依頼で造り始めたお酒です。
そして現在、四代目当主となった落合亮平が、日本の伝統的な蒸留酒である焼酎を海外の愛酒家たちに広める挑戦を始めます。
まずは、多種多様な蒸留酒が集まる米国のお客様に日本の本格焼酎をもっともっと楽しんでもらいたいと考え、事前に米国内にて行った試飲会にて最も評判のよかった生姜焼酎をベースに『利平GINGER』を造りました。
海を渡り、更なる挑戦を始める焼酎に、創業者『落合利平』の名をもらい『利平GINGER』と名付けました。
本格焼酎(単式蒸留焼酎)は、日本の伝統的蒸留酒。
特徴として、
①麹菌を使う(原料のデンプン質をブドウ糖に変える糖化作用を持つ)
②麹菌が生成するクエン酸でもろみの雑菌汚染を防ぐ
③単式蒸留器で蒸留を一度だけ行い、以後、水以外の添加物を一切加えない
(香料や甘味料なども添加しない)
酒質にもろみの良し悪し、原料の特性が大きく反映される蒸留酒。
基本的に、木樽による熟成を行わないため雑味が入らず素材本来の味が色濃く残る。
※韓国焼酎のソジュと、日本の焼酎は、背景にある酒文化や製造方法などが全く異なる別種の酒類です。
落合家は、もともと、和ろうそくを製造販売していた商家で、飫肥藩のお城にろうそくを納めていました。
時代とともに、和ろうそくの需要は減り、落合家は本格焼酎(単式蒸留焼酎)の製造販売に家業を転換。
ここより落合酒造場の蔵元としての歴史がスタートしました。
1909年(明治42年) | 初代落合利平が、九州の焼酎王国・宮崎県宮崎市田吉にて落合酒造場を創業。 以降、芋焼酎を中心とした本格焼酎を製造。 |
---|---|
1948年(昭和23年) | 二代目落合利平、二代目当主となる。 |
1980年(昭和55年) | 落合一平、三代目当主となる。 |
2005年(平成17年) | 生姜を使った焼酎の製造を開始。 |
2007年(平成19年) | 宮崎市鏡洲に製造場を移転。 |
2011年(平成23年) | 事業を法人化し「株式会社落合酒造場」設立。四代目当主の落合亮平が代表取締役社長に就任。 |
2018年(平成30年) | 米国限定焼酎『利平GINGER』の製造を開始。 |
私共の焼酎を楽しんでいただく機会は、そのとき限りのもの、唯一の機会。一つ一つの仕込みもまた、唯一の機会です。
そんな一期一会を大切に、誠心誠意の酒造りを行い、つくりのいい焼酎を醸す。
つくりのいい焼酎は、お客様に心を残してもらい、贔屓の酒として飲み続けていただける。
そういう酒造りを続ける蔵でありたいと考えています。